昨年の話で恐縮ですが、私、富良野協会病院に入院していました。
7階談話室には漫画の本がいっぱいあって軽く200冊は、あるのではないだろうか。その中で唯一漫画でない本がありまして。それがこの三浦綾子の「銃口」。
当時の重苦しい職員室の雰囲気が読む人の心に重くのしかかってきます。そんななか綴り方事件が起きて上巻はおわります。こんな重苦しいお話が下巻も続くのかな?
俺、読めるかな?って思ったけど意外なほど下巻はすんなり読めてほっとしました。
自分の良心に従って生きることがどんなに難しくて大変なことか。ほんと、命がけ。今だって、そうだよね。
ところでこの本、平成8年〇色愛子所有とありました。
一〇愛子さんってどんな人だろうと思って検索したら何と道新のお悔やみ欄に
〇色愛子さんが96才でご逝去されたことが載っていました。住所が同じなのでご本人に間違いありません。一〇愛子さんは、73才の時にこの本を手にしていたことに
なります。御年73才で三浦綾子を読んで感動し、少しでも多くの人に読んでほしいとの思いで病院に寄贈したのだと思います。お亡くなりになったその年に私がこの本を手に取ったのも何かの縁。勝手にドラマチックだなあって思いに耽っています。