今日は大晦日。とうとう来たか。やっと来たか。もう来たか。一年で一番うれしいな。お母さんが餅をついてお供え餅を作った。昔は（私が子供の頃）ほんとあきれるくらい、あっちこっちにお供えした。ほとんど全部屋。もちろんトイレにも。だけど今は、神棚、床の間、とこの馬頭観音様の三つだけ。仏壇は元旦に黄粉餅をお供えするので、いわゆる三段重ねのお供え餅は、飾らない。

大石家では昔からそうなのだ。でこの馬頭観音様はもともとは、うちの畑の一角にあったんだけど、昭和４５年ころの基盤整備事業で畑や田んぼの区画整備が大々的に行われ、北星地区（私の住んでる町内の事）にある三体の馬頭観音様が北星神社（北星地区にある小さな小さな神社）に集められたのだ。不思議なことか、あたりまえか、わからないけど、観音信仰って、仏教だよね。なんで観音様が神社にあるの。って思うよね。これって全くの私の想像だけど、昔は農作業の主役は馬だった。馬は家族だった。そんな大切な馬が老衰や事故で亡くなったとしたら、その霊を地域みんなで弔うのは自然な事。お寺は、セクト主義がちがちだし、仏教では馬だって畜生に変わりは、ないだろうし、ごくごく自然な感覚で馬頭観音様は神社に集まったんだろうね。三体の馬頭観音はそれぞれの持ち主が管理してたんだけど、一つは管理していた農家がもう離農しちゃってどこにいるのやら、もう一つは、管理していたおじいちゃんが今年亡くなって、若いおにいちゃん、お餅お供えするのかなあ。もう農耕馬なんてどこにもいないけど、ご先祖様のお墓と同じくらい大切にするよ。